町屋暮らしのための町家自分修繕レポートその3(2階/壁面)

町屋暮らしのための町家自分修繕レポートその3(2階/壁面)

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

2階壁面の修繕(BEFORE)

壁面が最も痛んでいたのは2階。諸々工事が済んだあとでわかったが、大屋根の野地板が全てダメ。屋根瓦の締め直し・野地板・新規に防水シートを貼るといった大工事を予定しなければならなくなった。当然今回は資金切れ。雨漏りをきわどく避けながらの生活をしながら、大屋根修繕費用をなんとか捻出しなければいけない。

大屋根がその状態だったからか、二階の壁面はかなり痛んでおり、表面の仕上げ面はもとより、荒土壁部分もかなりハガレが進行していた。水屋の天井に落ちてきていた土ホコリもコレが原因。

特に痛みの激しかった大壁。右下は大穴が明いている。
この奥は水屋の天井になる。
また何回か修繕したあとも見られる。

壁の修繕にあたって、穴を塞ぐことと隙間を埋めること、ひび割れを補修することが下地処理。そのために使ったのが石膏パテ。

[blogcard url=”https://amzn.to/2vJPp0q”]

修繕作業には『へら』が便利である。

[blogcard url=”https://amzn.to/2qNW5Kb”]

壁材自体は『フジワラ化学』の『かんたん・あんしん珪藻土(青)』と『京壁なおし(松葉)』を利用。ローラーで塗れるため、面積が多くても綺麗に仕上がるのと、コテを使うと思った以上にコテ裁きのスピード勝負となり、体力が必須アイテムとなる。ローラーが使えるときっと幸せになれる。あと、濃い色は珪藻土では難しいそうなので、弁柄を探したが、ピンクになってしまうとのことで、群青をイメージして『青』を選ぶ。全て同じ色だとつまらないので、四畳半は抹茶色(松葉)を選択した。

[blogcard url=”https://amzn.to/2uIJKuF”]

押し入れ棚は撤去を計画
棚板を解体。(既に畳は取ってある)
水屋天井とつながる付近の穴が最も大きくやっかいである。
庭側の壁も屋根が落ちてきたため、押されて変形している。
何度か補修したあとも見られる。
作業のため畳を取ってみると新聞が。
年月は昭和36年が多い。
その頃から畳を変えていなかったと思われる。
話ではカーペットが敷かれていたらしい。
床の間天井付近は雨漏りの痕跡。
押し入れの天井を開けてみると天井裏に謎のワラが大量にっ!
天井から引きずり下ろし処分。
(何のためのワラだったのか不明)
ワラを取り出すため天井板を外してしまった。
後ほど新たにDIYで天井を貼る。
また今後のメンテナンス用に簡単に取り外せるようにしておく予定。
天井裏の様子。高さもあるため断熱効果も期待できる。
電線は新しくするためこれは利用しない。
一連の作業はホコリと落下物との戦い。
マスク・ヘルメット・ヤッケは必携。
安全眼鏡もできれば掛けた方が幸せだと思う。

PRETREATMENT(DIY)

まずは隙間や凹凸を石膏パテで埋めていく作業。
へらでの作業がしやすい。
これが石膏パテ塗り道具。
100円均一で購入したシリコンのケーキ用型がとても使い勝手が良い。
隙間が大きな部分はシリコンコークを挿入してから石膏を流し込んだ。
砂壁をしっかり復元させるなら、この方法はオススメしない。
新聞紙はそのまま養生の代わりとして利用。
大穴部分はコンセントボックスを埋め込んで補修。
後々コンセントとして配線してもらう。
柱にはマスキングテープを貼る。
乾く前に剥がさないとマスキングテープが残る。
こちらは2階の隣の部屋。
この壁も凹凸や隙間を埋めたら養生をする。
この作業がなかなか大変である。
養生が済んだら『シーラー』を塗り込む。
カビやアクが出てこないように2度塗り。砂壁なのでしみこみが半端ない。
通常量の2倍は必要。
養生もしっかりしているように見えるが、いろんなところに飛んだ壁材がある。
できるだけ丁寧に養生はした方が幸せだと思う。
今回使用した壁材。八畳と四畳半だが二部屋で約30kg消費した。
二階は2部屋あるのだが、壁の色は四畳半に抹茶・八畳は青に。
まずは四畳半の抹茶から。フチは刷毛で塗る。
大きな面積はローラーで下塗り。
最低でも二度塗りした方が良い。
シーラーを塗ってあれば壁材はさほど染み込まない。
八畳は青色に。一度塗りだと下地が透ける。
右の壁は二度塗りをした壁の色。
壁面を一通り仕上げたところで大工さんにバトンタッチして床材を貼ってもらう。
まずは2階の床板下に電気配線(電気屋さん任せ)
今回は200V電源も必要となるため全て新規配線。
配線のあいだに、1階の天井裏を清掃。(DIY)
きれいになった1階の天井裏。
大きな隙間には金網を貼って、外部から様々なモノの侵入を防ぐ。(DIY)
さらに断熱材を敷き詰めて、2階からの音を少しでも和らげる。(DIY)
茶室の釜蛭(ひる)釘上部。(大工さん施工)
床下作業が一通り終わったところで下地板を貼る。
窓を交換するため、サッシが到着している。
レベル調整をした後、フローリングを設置。
写真では表面保護の養生板が貼ってある。
残っていた押し入れ内の珪藻土壁材塗布。ここからはDIYになる。
右側の壁は杉板を貼った。
下地一回塗りと未塗布状態の比較。
二回塗りでの仕上げ。
ワラが乗っていた屋根裏に杉板で天井板を貼る。
八畳側はこのようなイメージになった。

AFTER

フローリング(桜/ウレタンクリアー塗装)
床の間のみ壁の色を変えた。
仕切りが無ければ広いフローリング空間である。
四畳半側の窓下もきれいになった。
照明(仮)を入れてみた。
八畳側は少し変わった照明を設置
灯りをつけるとこのようなイメージなる。

二階に要したDIYは延べ1週間/2人。養生と塗料のように伸びないため、一つの壁を塗るのに時間がかかったのが原因である。
簡単に塗れる壁材であったが、委託するとそれなりに費用はかかる。
身をもって工程を体験することで大変さはわかったが、対時間との兼ね合いだろう。
今後のメンテナンス性は現代工法の石膏ボードに壁紙に軍配が上がる。
ただし、吸湿性などは土壁の方が良いらしい。しかし土壁を塗れる職人が少なくなっているので、使える土壁は貴重だと思った方が良いだろう。

古民家カテゴリの最新記事